カジノでディーラーだったルーレットプレイヤーの女

昨日、またラスベガスのカジノで大勝ちしてしまった。
ほんと、ここに来るたびに「今回はほどほどにしとこう」って決めてるのに、どうしてもアドレナリンが抑えきれんちゃけんね。
私はヨーロッパのカジノでディーラーしてたことがあって、その経験が今になってこんなに役立つなんて思いもせんかったけど、やっぱり元ディーラーの勘は侮れんね。

ルーレットプレイヤーのプロフィール

私の名前は美沙、27歳。
福岡の小さな町から飛び出して、最初はロンドンでディーラーの仕事を始めた。
あの頃はまだ若くて、いろんなことが新鮮やった。
ディーラーとしてルーレットの台に立ち、何百回もボールを投げ入れながら、客たちの緊張感や期待に包まれて仕事するのが楽しかった。
そこで覚えたのが、ディーラーの癖ってやつ。
ディーラーごとに投げ入れるタイミングや、ボールのスピード、ウィールの回し方にちょっとずつ癖があるんよね。
それが分かるようになると、どのあたりの数字にボールが入りやすいか、なんとなく読めるようになるんよ。

ヨーロッパでの経験を活かして、今は月に一度はラスベガスに来てはルーレットを楽しむのが私の息抜き。
もちろん、ディーラー仲間には絶対秘密やけど、こうして時々おいしい思いができるのも、あの頃の経験があったおかげやけんね。

昨日もいつもと同じように、カジノに入った瞬間からもう雰囲気に飲まれそうになった。
ラスベガスのカジノはほんと別格。
煌びやかなライトに、大きなスクリーン、熱気に包まれたテーブル。
みんなそれぞれの期待と緊張を抱えながら、夢のような時間を過ごしてるのが肌で感じられる。

ルーレットのテーブルの周りはいつも人だかりができていて、みんなディーラーの手元をじっと見つめてる。
昨日のディーラーは、アメリカ人の若い男で、投げ入れる時にちょっと肩が上下する癖があったのよね。
そう、あの動きが出るとボールがいつも同じゾーンに落ちるんだってこと、私はすぐに気づいた。
やっぱり、経験って生きるんやね。

テーブルに座った私は、少し周りの様子を伺いながらディーラーの手元を見つめた。
最初の数回は観察だけに徹したけん、賭けんやった。
どういう風に手が動くのか、どこに力が入ってるのか、じっくり観察してからやっと賭ける。
私のやり方はいつもそう。
ディーラーを見て、彼らの癖を掴むのが先。
慌てることは何もない。

ディーラーがボールを持ち上げて、ホイールに投げ入れるその瞬間、私の全身の神経が研ぎ澄まされる感じがした。
「今だ!」って思った瞬間、私は28を中心に、その周りの2、0、9、26あたりにもストレートアップ(一点張り)を仕掛けた。
少し前から見てた癖通り、ボールはだいたいその辺に落ちるやろうって直感が働いたけんね。

ベット位置

ディーラーが「No more bets」と言って、ウィールが回り始める。
カラカラと乾いた音がするたびに、心臓がバクバク鳴る。
この瞬間がたまらなく好きなんよね。
ボールが弾んで、速度が少しずつ落ちていく。
目で追いかけながらも、頭の中では「頼む、そこに入れ!」って何度も祈ってた。

ボールがだんだん減速していって、最終的に「28」に吸い込まれた瞬間、思わず拳を握りしめた。
やった!
あの感覚は何度味わっても飽きんと。
周りからも「Wow!」って声が聞こえて、ディーラーも一瞬驚いたように目を見開いていた。
何も知らん人たちは、ただ運が良かっただけって思うやろうけど、こっちはディーラーの癖を見抜いて賭けた結果なんよね。
だからこそ、達成感もひとしお。

大勝ちした後、チップの山を眺めながら少しだけカクテルを飲んで、周りの喧騒を感じてた。
あの瞬間だけは、私が世界の中心にいるみたいで、普通の日常から遠く離れてるって実感できるんよね。
福岡の小さな町で、おばあちゃんが作った漬物を食べてた自分からは、まさかこんなとこにいるなんて想像もつかんやったけん。
今ここで、ディーラーの癖を読みながら、ルーレットで賭けてる自分がちょっと不思議で、でもそれが自分なんだって思える。

もちろん、毎回うまくいくわけじゃない。
ディーラーの癖を見抜けんかったり、読みが外れたりすることもある。
けど、それもまたギャンブルの醍醐味。
勝ち負けを繰り返しながら、自分の感覚を信じて賭けるっていうのが、何よりも刺激的で、やめられんとよね。

最後にチップを換金して、カジノを出る時、少しだけ虚しさが残るのはいつものこと。
勝った後でも、どこか空っぽになるのが不思議なんよ。
でも、それも全部含めて私の「遊び」。
日常に戻る前の、この特別な時間をかみしめるのが、何よりのご褒美やけんね。

またラスベガスに戻ってくる日が待ち遠しい。
ディーラーの癖を読み切って、あの瞬間の高揚感を味わうために、私は何度でもここに来ると思う。
次もまた、きっと勝てる。
そんな風に信じて、また次のルーレットに挑む日が楽しみで仕方ないっちゃけんね。