ルーレットのホイールには、ゲームのバリエーションによって「ゼロ(0)」または「ダブルゼロ(00)」が存在します。これらの特殊な数字は、プレイヤーにとっては不利な要素であり、カジノが利益を得るための主要な仕組みの一つです。本節ではゼロとダブルゼロの構造的な意味と、それがハウスエッジに与える影響について解説します。
ゼロの存在が生むハウスエッジ
ヨーロピアンルーレットには「0」が1つだけ存在し、アメリカンルーレットには「0」と「00」が含まれます。これらの数字は、赤・黒、偶数・奇数などのどのグループにも属さないため、プレイヤーのベットの多くに対して外れをもたらします。
- ヨーロピアンルーレット(37マス):ハウスエッジ ≒ 2.70%
- アメリカンルーレット(38マス):ハウスエッジ ≒ 5.26%
なぜハウスエッジが生まれるのか
カジノゲームにおける「ハウスエッジ」とは、統計的にカジノ側が長期的に得られる利益率を意味します。ルーレットの場合、この利益率はゼロやダブルゼロによって作られます。
たとえば、赤に賭けるとします。赤の数は18個、黒も18個、しかし0(と00)はどちらにも属しません。したがって、赤に賭けたプレイヤーは理論的には50%の勝率があるように見えても、実際は:
- ヨーロピアン:18/37 ≒ 48.65%
- アメリカン:18/38 ≒ 47.37%
この差分こそが、カジノの取り分=ハウスエッジとなります。
プレイヤーの選択に与える影響
この違いは、一見わずかに思えるかもしれませんが、長期的なプレイや高額の賭けになると非常に大きな影響を与えます。特に、戦略を用いてプレイする場合、より低いハウスエッジのルーレット(ヨーロピアン)を選ぶことが重要になります。
また、一部のカジノでは「ラ・パルタージュ(La Partage)」や「アン・プリゾン(En Prison)」といったルールがあり、ゼロが出た際の損失を一部軽減する仕組みがあります。これらのルールが適用される場合、実質的なハウスエッジはさらに低くなります。
まとめ:ゼロの理解は戦略の第一歩
ゼロやダブルゼロの影響を正しく理解することは、ルーレットを単なる運のゲームから、計算された選択を伴う戦略ゲームへと変える第一歩です。
第2章 第4節「テーブルレイアウトと賭け方の戦略的意味」へ進む。